2023.07.30

腸活はペットにも大切!ずっと健康でいてもらうために飼い主ができること

腸活はペットにも大切!ずっと健康でいてもらうために飼い主ができること

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    腸内細菌が心身の健康に影響をおよぼしていることが知られ、腸活をする人が多くなりました。腸内細菌は、生活習慣病と呼ばれる様々な疾患と密接な関係があり、健康寿命にかかわります。腸活はペットにも効果的です。
    本記事では、腸活の基本から、ペットの腸活の実践方法まで詳しく解説します。

    腸活の基本 

    大腸の役目は、主に水分とミネラルの吸収だといわれてきました。しかし近年の研究で、大腸にいる細菌が免疫システムにかかわっていることが分かり、心身の健康を維持するために腸活が注目されています。

    腸活とは

    腸内環境をよりよい状態にするための活動を腸活と呼びます。腸活においては、よい食生活や生活習慣で腸内環境を整え、腸内細菌のバランスを整えることが大切です。
    善玉菌が優勢になると免疫力が上昇し、感染症にかかりにくい健康な体になるといわれています。善玉菌を優勢にして有害物質を少なくできれば、肝臓や腎臓にかかる負担や皮膚への悪影響が抑えられ、健康の維持が可能です。
    ペットの腸活は、単に健康のためだけでなく、ペットがよりよい一生を過ごすためにも役立つといえるでしょう。

    腸内の主要な細菌3つ

    ヒトやイヌやネコの大腸には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が棲んでいるといわれています。腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられます。
    乳酸桿菌やビフィズス菌などの善玉菌は免疫機能を高める菌です。乳酸や酢酸を産生し、腸内を弱酸性にし、悪玉菌が増殖しにくい環境をつくります。さらにビタミンも産生しています。
    ブドウ球菌やウエルシュ菌などの悪玉菌は、発がん性物質を含む有害物質や腐敗物質を産生する菌です。連鎖球菌やバクテロイデスなどの日和見菌は周囲の状況をうかがい、優勢な方に味方をします。

    腸内フローラが乱れる原因 

    腸内には多種多様な細菌が存在し、種類ごとに塊になって棲みついています。これを腸内細菌叢と呼びますが、腸壁にびっしりと棲みついている様子が、まるで花畑(フローラ)のように見えることで、「腸内フローラ」と呼ばれているのです。
    ここでは、腸内フローラが乱れる原因について解説します。腸内フローラが乱れると、悪玉菌の生み出す有害物質が増えさまざまな不調につながるため、その原因を知り適切に対処することが大切です。

    ストレスがある

    腸は自律神経(交感神経と副交感神経)と密接にかかわっており、副交感神経が優位になったとき、活発に動きます。
    交感神経が優位になっている状態が続くと消化不良を起こし、腸内フローラのバランスが崩れ、善玉菌が弱り、腸内がアルカリ性に傾くのです。するとアルカリ性を好む悪玉菌が増えてしまいます。
    交感神経が優位になる原因の1つはストレスです。ペットと一緒に遊んだり散歩をしたりすることは、運動そのものがよい刺激になるだけでなく、ストレス解消につながり副交感神経を優位にします。コミュニケーションを充実させることは、腸内フローラをよい状態に保つために役立ちます。

    食生活が偏っている

    悪玉菌は、脂質やタンパク質を餌にして増えます。大腸内の悪玉菌が増える一因は、小腸で消化できなかった脂質やタンパク質が、未消化状態で大腸に流れてきていることです。脂質やタンパク質を含む食べ物の摂りすぎで胃腸に負担が掛かり過ぎると、タンパク質と脂質を餌にする悪玉菌が増えるのです。
    便秘の解消のために食物繊維は必要ですが、摂りすぎると便が固くなり腸内に長く滞留し、悪玉菌による腐敗物質が多くなります。脂質も腸内の滑りをよくするために必要です。偏りのない、バランスのよい食生活が大切です。

    運動不足になっている

    自律神経は日中は交感神経が優位になり、夜間は副交感神経が優位になるように切り替えをしています。ただし、運動不足になってくると、この切り替えがうまくいかなくなり、自律神経が乱れるのです。
    胃腸は副交感神経が優位な状態のときに働くため、自律神経が乱れた状況では働きが弱ってしまいます。自律神経の切り替えがうまくいくように、日中は適度に動き、夜はリラックスすることが必要です。

    老齢になった

    腸内の善玉菌は、加齢によって減ってしまいます。また、体力や免疫力も加齢に従い落ちます。ずっと健康でいるためには、やはり腸活が必要です。
    腸活によって、善玉菌が減るスピードを遅くし、腸管免疫を底上げすることが可能です。腸管免疫は、加齢とともにできやすくなる腫瘍細胞と戦ってくれます。
    また、口腔内では加齢に伴い唾液が減り、歯周病になりやすくなるものです。歯周病菌は食物とともに消化器に入っていき、消化器にダメージを与えることがあります。腸活は、消化器に入ってきた歯周病菌への対策にもなります。

    腸活の実践方法 

    腸活の基本として善玉菌を摂る方法があります。大腸内の善玉菌が増えて元気になると免疫システムが活性化して、悪玉菌が増えすぎるのを防ぎます。

    善玉菌を含む食べものを摂取する

    乳酸菌やビフィズス菌を含む食品によって、直接善玉菌を増やす方法です。ただし、善玉菌は定着してはくれません。そのため毎日のように摂取することが大切です。
    ペットの場合、毎日ヨーグルト小さじ2杯程度を与えるとよいでしょう。乳酸菌やビフィズス菌は腸内のphを弱酸性に維持し、悪玉菌が棲みにくい環境を保ちます。
    善玉菌を増やすことで悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内フローラをよい状態に保ちましょう。

    善玉菌を増やす食べものを摂取する

    善玉菌の餌となり、善玉菌を増やす働きがある食物をとることが大切です。食物繊維(ペクチン)を含むリンゴやバナナがよいでしょう。
    バナナには食物繊維だけでなく、善玉菌の餌となるオリゴ糖や、腸の蠕動運動を促進するカリウムも含まれています。リンゴもバナナも皮を除いて、1日20gを目安に与えることがおすすめです。
    善玉菌が元気になることで悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内フローラをよい状態に保ちます。

    筋力をつける

    加齢や運動不足で筋力が落ちてしまうと、踏ん張ったりいきんだりすることが難しくなり、排便が困難になります。便が腸内で滞留してしまい、悪玉菌によって毒素や有害物質が産生され病気につながります。そうならないためにも、運動をさせて筋力を維持することが大切です。
    また前述の通り、運動は自律神経を整えるためにも必要です。遊びや散歩で体を動かしてストレスが軽減されることで、自律神経が整い腸内フローラをよい状態に保ちます。

    年齢に応じて食生活を見直す

    年齢により、体が必要とする成分は変わってきます。年齢と合わないフードや、若い時と同じような量を与えてしまうと消化がおいつかず、それを餌にする悪玉菌が増えてしまいます。
    腸内フローラを整えるためには、年齢に合った、カロリーや脂質は控えたフードを適量与え、悪玉菌を増やさないようにします。
    悪玉菌を増やさないためには、善玉菌を元気にすることが大切です。善玉菌を増やす機能や善玉菌の餌となる機能があるフードを与えてみることも効果的といえます。

    サプリメントで補う

    機能性ペットフードは普及してきましたが、それでも不足しがちな成分はあります。ペット用サプリメントを摂取することで、不足しがちな成分を手軽に補えるでしょう。
    また、ペットが本来持っている自然治癒力を補助する働きがあるサプリメントもあり、必要に応じて取り入れることで健康状態がよくなることを期待できます。
    ペットがサプリメントを飲んでくれないときは、食事に混ぜるか、おやつと一緒に与えるとよいでしょう。市販の投薬用おやつにサプリメントを包んで与えることもおすすめです。
    液体タイプのサプリメントもあるため、好みに合わせて試してみるとよいでしょう。

    腸活効果を確認するには 

    腸活の効果を確認するためには、便をチェックすることが最もよいといえます。
    腸内フローラが整っているときの便はあまり臭くなく、黄色っぽい褐色をしています。バナナのような形で固すぎず柔らかすぎず、あまりべたつくことがありません。そのためほとんど跡を残さず、きれいに拾えます。
    一方で腸内に長く留まった便は、アルカリ性に偏ることで黒っぽい色になり腐敗臭がします。バナナのようななめらかな便を目指して、腸活を続けることが大切です。

    まとめ

    人間と同じように、ペットにも腸活が有効です。基本的には人間と同じで、バランスのよい食生活や適度な運動を継続することが大切です。
    善玉菌を補いながら、善玉菌に餌をやり、減らさないようにすれば腸内フローラが整い、腸内環境をよい状態に保てます。
    内臓知覚と呼ばれる腸から脳への信号伝達によって脳が安定すると、ストレスに強くなるともいわれています。大切なペットの健康寿命を延ばすため、一緒に腸活に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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