2024.02.13

ペットがいるときの防虫はどうする?動物がいる家でも使える道具を解説

ペットがいるときの防虫はどうする?動物がいる家でも使える道具を解説

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    ペットを飼う上で、虫刺されや伝染病を防ぐために考えておきたいことが害虫対策です。
    一方で、市販の殺虫剤や防虫グッズをペットのいる部屋で使ってよいのか迷う人も多いかもしれません。
    今回の記事では、ペットがいる家での防虫について解説いたします。

    ペットがいる家庭での殺虫剤使用は要注意 

    小型の動物にとって殺虫剤は有害なことが多く、動物の種類によっては同じ部屋での使用は厳禁とされているものもあります。そのため、なるべく使わないようにしたり、使用の際はケージや水槽などを別の部屋に移動させたりと、ペットに配慮した殺虫対策が必要です。
    また、一見安全に見える天然成分の殺虫剤でも、原料やペットの種類によっては使用できないこともあります。使用の前に、ペットがいる家で使ってもよいのかどうか、商品の成分や注意書きをよく確認しましょう。

    ペットがいる家でも使える防虫方法は?

    家庭用として市販されている殺虫剤や防虫グッズには、ペットがいても使えるものとそうではないものがあります。では、使ってもよい防虫方法はどのようなものなのでしょうか。
    ここでは、ペットがいても使える殺虫方法を2つ紹介いたします。

    低温で動きを止めるタイプのもの

    スプレー缶から低温のガスを噴射し、害虫を凍らせて駆除するタイプの商品です。冷凍ガスは1~2分で蒸散し、成分は空間内に残りません。そのため、市販の殺虫剤としてはペットに対する害が少ない商品だといえます。
    ただし、薬ではなくあくまで害虫を低温に晒すことで殺虫するものであるため、直撃させないと効果が無いことを把握しておきましょう。また、使用の際は使用者自身やペットが凍傷を負わないよう気を付ける必要があります。

    熱湯

    ペットがいる家で殺虫剤を使うのが不安な場合は、熱湯をかけて害虫駆除する方法もあります。
    熱湯で害虫を駆除する際は、60度以上の熱湯を害虫の真上からかけることで効果的に駆除できます。この方法を行う際は、自分自身やペットが火傷しないように熱湯の量や使う場所を調整しましょう。また、飛んでいる虫には使用しにくい方法であり、姿の見えない虫には使えない方法でもあるため、全ての虫に使える駆除方法ではありません。

    ペットの種類によって注意が必要な防虫方法は?

    殺虫剤や防虫グッズには、ペットの種類によって使えたり使えなかったりするものがあります。イメージだけで「この商品ならペットに使っても問題ない」と判断せず、自分が飼っている種類のペットに使ってもよいのかよく確認しましょう。

    天然成分の殺虫剤

    最近の殺虫剤や防虫グッズには、ペットや小さい子どもがいる家庭向けに作った、毒性の少ない天然成分のものがあります。ただし、成分に直接害が無くても、人間よりも嗅覚が優れた動物は匂いを嫌がることがあります。
    また、原材料の植物によっては、ペットにとって害になる可能性があります。特にミント系やユーカリなどのハーブ、柑橘類は猫にとって有害なため、猫を飼っている場合は使用前に注意書きや成分表示をよく確認しましょう。

    アロマオイル

    化学薬品を配合した殺虫剤や防虫グッズを使うことに抵抗がある人でも使いやすい害虫対策の1つが、アロマオイルを使った防虫です。アロマオイルには防虫効果が期待できる精油がいくつかあります。防虫効果が期待でき、入手しやすいアロマオイルは、ペパーミントやレモングラス、ローズマリーなどです。
    ただし、猫やフェレットなど一部のペットはアロマに使う精油を代謝できないため、長時間匂いを嗅いだり口に含んだりすると、中毒を引き起こす可能性があります。

    蚊取り線香

    蚊取り線香は、小型の害虫の駆除や侵入防止に手軽に使用できます。大型哺乳類や鳥類にはほぼ害はないため、ペットのいる家庭でも使える防虫グッズの1つです。
    ただし、貝やエビなどの水生生物や昆虫を飼っている部屋での使用は厳禁です。これは、蚊取り線香の煙は無脊椎動物に対する効果が強いためです。また、小型哺乳類や小型爬虫類がいる場合も避けた方がよいとされています。そのほか、使用の際は煙が出るため換気しましょう。

    超音波系製品

    害虫が嫌がる音波を出して、家屋や部屋への侵入を防止する製品もあります。薬剤を使わずに害虫退治ができるため人気ですが、ネズミのような小型哺乳類にも効果があるため、小さな動物を飼っている場合は使用を控えた方が無難です。
    また、動物の可聴音域は人間よりも広いため、ペットにとっては人間に聞こえない音でも不愉快なこともあります。もし使用中にペットの様子がおかしいと感じた場合は、すぐに使用を中止しましょう。

    ペット用の虫除けグッズはある?

    よく外でペットを遊ばせる場合は、虫除け首輪が効果的です。蚊やダニ、ノミなどの虫に噛まれるのを防げるため、感染症対策としても効果的です。
    普段と違う首輪を嫌がったり、そもそも首輪が付けられなかったりするときはスプレー式の虫除け剤や、普段使っている首輪にクリップで取り付けられる防虫グッズも市販されています。スプレー剤は使用の前に配合成分を確認し、飼っているペットの口に入っても大丈夫なものを使いましょう。不安があるなら、動物病院やペットショップで確認すると確実です。

    ペットを飼っているとき気を付けたい感染症・内部寄生虫

    害虫を介してペットが感染する病気はいくつかあり、命にかかわるものもあります。
    ここでは、代表的な物を2つ紹介いたします。多くの場合は日頃の防虫や予防接種で未然に防げるため、正しい知識を身に付ければ安心です。

    フィラリア症

    フィラリア症は、寄生虫(ミクロフィラリア)が犬の体内に入り、心臓の機能障害を引き起こす感染症で、蚊によって媒介されます。草むらや川沿いなど、蚊の多い環境でペットを遊ばせていると感染する危険性があります。
    息切れや腹水などが初期症状として表れるため、異変を感じたら動物病院に相談しましょう。注射や飲み薬で予防できるため、感染しやすい環境にいる場合は日頃の害虫対策とあわせて行っておくと確実です。

    バベシア症

    バベシア症は、バベシア(原虫)が犬の赤血球に寄生することによって発症し、マダニによって媒介されます。初期症状として食欲不振や発熱が見られるため、異変を感じたら動物病院に相談しましょう。
    重篤化すると呼吸困難や意識障害が表れ、黄疸や多機能不全などによって命にかかわる可能性もあります。フィラリア症と違い、ワクチンが存在しないため、日頃のダニ対策が予防策となります。まれなケースですが、過去には人が感染した例もあります。

    ペットを飼っているとき気を付けたい外部寄生虫

    虫からペットにうつる感染症だけでなく、虫自体に噛まれたり、寄生されたりして健康被害が出ることもあります。害虫は暖かくなると活発になるため、ペットとの健康な生活のためにも早めの対策を心掛けましょう。

    ノミ

    ノミは宿主から吸血し、痛みやかゆみを引き起こす外部寄生虫です。春から初秋にかけて活動しますが、室内では通年発生する可能性があります。ペットから人間にうつることもあるため、ペットのいる家庭でかゆみや頻繁な虫刺されがあるときは、ノミの発生を疑いましょう。体質によってはアレルギー性皮膚炎を引き起こすほか、瓜実条虫を媒介することもあります。
    ノミは非常に繁殖のサイクルが早いため、発見した場合は大量発生する前に、早期の駆除が必要です。

    マダニ

    マダニはバベシア症のような病気を媒介するだけでなく、それ自体もノミ同様にかゆみを引き起こします。活発に活動する時期は、春から秋です。未吸血のマダニは2〜3ミリ程度ですが、吸血すると大きく膨れます。マダニは一度吸血を始めると、吸血部位にセメントのような物質を注入して固定します。そのため、無理に引き剥がそうとすると傷口が広がる可能性があり、危険です。ペットに吸着しているマダニを見つけたら、動物病院で除去してもらいましょう。

    まとめ

    いかがでしたか。大切なペットと暮らす家では、被害が出る前に害虫対策・駆除をきちんと行うことが重要です。日常の害虫駆除は、寄生虫や病気の予防にもつながります。暖かい時期は害虫の活動が活発なため、定期的な防虫を行いましょう。
    また、防虫方法によってはペットの体にかえって負担をかける可能性もあります。そのため、防虫グッズを使う前に人間以外の動物にどのような影響が出るかを確認してから使う必要があります。

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