2024.02.06

犬にグレープフルーツを与えてもよいか?部位ごとの成分とその危険性

犬にグレープフルーツを与えてもよいか?部位ごとの成分とその危険性

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    グレープフルーツは、免疫力を高めるビタミンCや、疲労回復効果のあるクエン酸が含まれているなど、人にとっては栄養面で優れた果物といえます。
    ただし犬にとって、グレープフルーツは、与え方を誤ると危険な食べ物です。
    本記事では、グレープフルーツのどのような栄養素が犬にとって危険なのか、詳しく解説します。

    犬がグレープフルーツを食べる危険性について 

    グレープフルーツは、犬にとっては健康を害する栄養素が含まれています。ただし、具体的にどの程度の量を摂取すると体に影響するのかは分かっていません。
    一般に、少量で正しい与え方であれば問題はないと考えられていますが、自己判断は禁物です。犬が誤って食べてしまったときは、すぐに動物病院で受診しましょう。

    グレープフルーツ外皮の危険性 

    グレープフルーツは外皮と果実を持ちますが、そのどちらにも犬にとって危険性があります。
    ここでは、外皮に含まれている危険な成分について解説します。

    ソラレン|中毒性がある

    グレープフルーツに含まれている「ソラレン」は、犬が多量に接種することで下痢や嘔吐などの中毒症状を発症します。グレープフルーツの果実には微量しか含まれていませんが、外皮のほかに種子を包む果皮やその内側の中果皮などに多く含まれています。

    防カビ剤や薬剤|健康被害をもたらす

    グレープフルーツに限らず柑橘類は、農薬を使用しての栽培が一般的です。特に、輸入された海外製の果物には長期的な運搬・貯蔵のために、防カビ剤や薬剤が多く付着しています。水で外皮を洗ったとしても完全に除去することは難しく、包丁で切り分ける際にも、できるだけ果肉につくことのないように工夫しながら切り分けなければなりません。
    防カビ剤・薬剤を口にしたとしてもすぐに症状が現れる訳ではありませんが、体内で蓄積されると、かぶれや発がんのリスクがあります。
    犬だけでなく、人にとっても防カビ剤、薬剤は健康被害をもたらします。国産の果物を選んだり、野菜・果物用の洗剤を使用して付着物を洗い落すなどの対策を検討しましょう。

    リモネン|皮膚への刺激が強い

    柑橘類に含まれる「リモネン」は、アロマオイルや洗剤に使用されます。免疫力の向上・リラックス効果・コレステロールを減少させる効果など、人にとってはうれしい効果を多く持つ成分です。ただし、リモネンによる柑橘系の匂いは、犬にとっては刺激が強すぎます。また、皮膚につくことで、ピリピリとした皮膚刺激も起こします。そのまま外出すると、太陽光の紫外線と結びついて、皮膚にシミができる原因になるので、気を付けましょう。
    リモネンが含まれた犬用アロマも販売されていますが、注意書きを正しく読んだ上で使用しましょう。

    クエン酸|消化不良を起こす

    柑橘類であるグレープフルーツには酸味成分の「クエン酸」が多く含まれています。人であっても犬であっても、摂取しすぎると胃への負担から消化機能を乱し、下痢や嘔吐の原因となり得ます。加えて、グレープフルーツの外皮や、薄皮、白い筋も消化によくありません。
    ビタミンCを犬に摂取させたい場合、柑橘類よりもイチゴやブロッコリーなどをおすすめします。ただし、人と違って犬は体内でビタミンCを生成できます。必ず摂取したい栄養素ではないため、それ程ビタミンCを意識して食事・おやつを考える必要はありません。

    グレープフルーツ果実部分の危険性

    グレープフルーツの外皮に含まれる、犬にとって危険な成分をみてきました。
    ここからは、果実部分に含まれる、犬への影響がある成分を紹介します。

    タンパク質|アレルギー反応が出る可能性がある 

    グレープフルーツには、少量のタンパク質が含まれています。人にとっても犬にとってもエネルギーを作り出すために、タンパク質は重要な栄養素です。ただし、犬によってはタンパク質に対して免疫機能が過剰に反応し、食物性のアレルギー反応を起こす可能性があります。
    犬が日頃からどのようなタンパク質を摂取しているか、グレープフルーツを与えてから下痢や嘔吐、皮膚に蕁麻疹や湿疹を起こしていないかをよく観察するようにしましょう。

    フラクノマリン|薬の分解を妨げる

    柑橘類が持つ成分で気を付けたいのが、「フラクノマリン」と呼ばれる成分です。グレープフルーツは特に「フラクノマリン」を多く含んでおり、コレステロールや血圧を下げる薬などに反応してしまいます。これにより、薬の効能が効きすぎてしまったり、体調不良を引き起こしてしまったりする恐れがあります。
    犬に何らかの薬が処方されている場合には、グレープフルーツを与えてもよいかを医師に必ず確認しましょう。

    犬がグレープフルーツを食べたときに出る危険な症状 

    犬がグレープフルーツを食べ、アレルギー反応を起こすと、どのような症状が見られるのでしょうか。起こりうる症状を解説します。

    下痢・嘔吐|中毒とアレルギーの症状

    ソラレン中毒・アレルギー症状で共通して見られる症状は、下痢と嘔吐です。重篤になると脱水症状を起こし、命の危険を伴います。
    ソラレン中毒による下痢や嘔吐の症状が現れるタイミングは、グレープフルーツを食べてすぐではなく、数日後です。アレルギー症状の場合も、食べた直後よりも、数時間以上経ってからの方が、下痢や嘔吐の症状が現れやすいといえます。
    症状が現れた場合は動物病院で受診し、血液検査を行い、脱水症状を抑えるための点滴・投薬を行って貰いましょう。

    発疹・むくみ・充血|アレルギーの症状

    アレルギーによる症状としては下痢や嘔吐以外に、発疹や顔のむくみ、充血なども見られます。分かりやすい症状がなく、元気がなくなるケースもあります。どのような症状が現れても、慌てずに状況の整理をしましょう。
    いつから、どのような症状が現れたかを書き記し、獣医師に説明ができるようにしておくことをおすすめします。

    グレープフルーツを与えるときの注意点 

    グレープフルーツはさまざまな栄養素が含まれているものの、犬にとっては危険な成分も多く含まれています。「少量であれば大丈夫」とされていますが、無理に食べさせる必要はありません。
    グレープフルーツを犬に与えたい場合は、小型犬であれば40g前後、大型犬なら80〜100g前後で留めておき、必ず外皮・薄皮・白い筋・種を取り除いて果実部分のみを与えます。食べさせた後は、体調に変化がないか、必ず見守るようにしましょう。

    まとめ

    グレープフルーツは、犬にとって多くの危険性を持つ果物です。
    少量であれば問題ないとされ、中毒症状やアレルギー症状が出ないのであれば、夏場のおやつや水分補給として活用できます。ただし、柑橘類は犬によって好みが分かれます。無理矢理食べさせる必要はありません。
    グレープフルーツの他にも栄養豊富な果物・野菜はあります。愛犬が好きな食べ物を見つけてあげましょう。

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