2026.06.25

犬はどこまで人間の言葉を聞き分けているの?

犬はどこまで人間の言葉を聞き分けているの?

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    愛犬と暮らしていると「この子は自分の言葉を分かってる!」という感覚になる瞬間ってありませんか?実は科学的な研究によって、犬は人間の言葉を音として聞き分けるだけでなく、感情や状況と結びつけて理解していることがわかっています。この記事では、「犬はどこまで人間の言葉を理解しているのか」を5つの観点から紐といていきます。

    ①音の違いを聞き分けている

    2016年にハンガリーの研究機関が犬の脳をfMRI(機能的MRI=脳の働きをリアルタイムで観察できる技術)で調べたところ、左脳が単語の音を処理し、右脳が声のトーンを処理していることがわかりました。 つまり、犬は飼い主の「言葉の音」と「話し方の雰囲気」を別々に処理しているのです。これは人間の脳の働きともよく似た構造になっています。

    さらに、2020年の研究では、犬が「単語の意味をある程度予測できる」ことも確認されました。 たとえば「ボール」という言葉を聞いたとき、「あの丸いものが出てくるはず」と予測するような反応を示すのです。これは人間の言葉を単純に音として認識しているだけでなく、意味を理解している証拠だとして注目されました。

    ②声のトーンに最も敏感

    犬がいちばん重視しているのは、言葉の意味よりも声のトーンです。高くて明るい声には「褒められてる!」と感じ、低くて強い声には「怒られてるかも…」と判断します。つまり、犬は「何を言われたか」よりも「どんな気持ちで言われたか」を最も敏感に感じ取っているのです。愛犬を褒めたり注意したりするときは淡々とした言葉かけではなく、声の高さやトーンを意識することで、よりコミュニケーションがとりやすくなるといえるでしょう。

    ③どれくらいの種類の言葉を覚えられるのか?

    犬が理解できる単語数には個体差があります。史上最もたくさんの言葉を覚えた犬として有名なのはボーダーコリーの「チェイサー」です。2010年にアメリカで行われた研究によると、チェイサーはなんと1,000語以上(!)の物体名を理解していたそうです。さらに驚くべきことに、知らない単語が出てきたときには「これは新しいものだ」と推測する力まで見せたそうです。

    ただし、これは特別な訓練を受けた例で、一般的な家庭犬が理解できるのは20〜50語程度といわれています。

    ④犬は「誰の声か」も聞き分けられる

    2014年の研究では、犬が人間の声を聞いたときに特定の聴覚野が活性化することが確認されました。また「以前に聞いたことのある声かどうか」を識別する力があることもわかっています。飼い主である家族の声と、知らない人の声をスピーカーで流す実験で、ほとんどの犬が高い成績で自分の飼い主の声を聞き分けたという結果が出ています。

    ⑤文法ではなく状況で理解する

    犬は人間の文法を理解していないので、たとえば「散歩、行く?」と「行く、散歩?」の違いはわかりません。犬は聞こえてくる単語の音+状況+感情の組み合わせで周囲を理解しようとします。

    つまり、「お散歩」と言われたときに、飼い主が立ち上がってリードを持つ動作を見て「あ、外に行くんだ!」と理解することになります。

    まとめ

    犬は人間の言葉を「文法的に理解する」わけではありませんが、音の違いを聞き分け、声のトーンから感情を読み取り、状況と結びつけて意味を推測しています。

    あなたが「いい子だね」と優しく声をかけるとき、犬はその言葉の意味だけでなく、あなたの気持ちまでちゃんと感じ取っているのです。感情を込めた言葉かけを行うことで、愛犬とのよりよい絆を深めていきましょう。

    参考文献:Andics et al., Science, 2016 Andics et al., Current Biology, 2014 Gábor et al., Current Biology, 2020 Pilley & Reid, Behavioural Processes, 2010 

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